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ときめきを追いかけて。

「実」の年へ。

どうしてハワイが好きなんだろう

ふと思ったこと ときめき アメリカ
と、ずっと考えている。
 
初めてハワイを訪れたのは小学校1年生に上がる直前の春休み。たしか、それがわたしの初海外で、そのときはワイキキという観光地ど真ん中で、毎日プールか海で遊ぶだけ。ただ単純に、日本以外のところに行くというのが楽しかっただけだった。そこから1年に1、2回、ほぼ毎年欠かさず訪れるようになって、少しずつ自分のなかでのハワイという場所の存在が変わってきた。
 
なんなんでしょうね、あのホーム感。
 
よくハワイに行く、と言うとき、ハワイに帰る、と言ってしまう。英語でもそう。I am going back Hawaii this summer.って言ってしまう。もちろん日本に行く(帰る)ことも、I am going back Japan this winter.って言うのだけれど、それぞれ言うときの心情が全然違うのだ。
 
日本のホーム感ってわたしにとってあんまりない。
JGAPさんのエッセイ( http://japangap.jp/essay/2014/03/find-what-makes-you-yourself-1.html )でも書いたけど、わたしは日本社会というものが大嫌いだった。留学してからようやく良さも少しずつわかってきたけれど、それでも好きじゃない。何が気に入らないのだろう。人々がただただ忙しく毎日を消化している感じだろうか。不条理な年功序列だろうか。コンクリートの建物に邪魔されて空が見えないところだろうか。夜になっても人工的な明かりしかないことだろうか。夏の気候がとてつもなく過ごしにくいことだろうか。わからないけれど、自分の身体が拒否する。ハワイから日本に帰ると、ああ帰ってきてしまった、と思う。そりゃあ自分の部屋はこだわってるからそこで過ごす時間は大好きだし、家族に会えるのは嬉しいし、友だちや先生方に会えるのも嬉しい。車はあるし公共交通機関も整ってるし便利だ。食べ物だって美味しい。不便はない。それでもなんだかしっくりこない。
 
いつからか、ハワイはわたしにとって故郷となった。身体がしっくり馴染むのだ。あの、人々のなにごとに関しても"良い加減"なところや、どこまでも突き抜ける青い空。時折降るシャワーのような雨でさえ愛おしい。少し走れば青い海がいつも変わらず穏やかに出迎えてくれるし、街ゆく人々、働く人々はみんななんだか余裕があって楽しそう。別にハワイは裕福な地域ではない。むしろ、全米でも平均年収は低いほうだ。ハワイアンの人々の文化が搾取され壊されているという批判もある。それでも、そんな問題がたくさんあっても、なぜかみんな穏やかであたたかい笑みをたたえ、目が合えばにこりと笑い、Alohaと挨拶をする。
 
ハワイの朝は早い。そういうところも自分に合ってるのかもしれない。わたしは極度の朝方人間だから。大学の勉強が大変で朝の4時に寝ても次の日は95%の確率で6時前には起きる。それも、すっきりと。夜になるとそのかわり機能しなくなるから、勉強さえしなくていいならさっさと寝たい。わたしの理想の睡眠は11時〜5時。起きて、シャワーして、ゆっくりと熱いコーヒーを飲み、1日のスケジュールを確認し、ニュースやTwitterやクラスのリーディングに目を通し、その日にテストがあれば最終調整をそこでして、美味しい朝ごはんを食べる、というのが、このうえなくしあわせなのだ。
ハワイの人々も朝の楽しみ方を知っている気がする。仕事前にサーフィンに行く人、朝日を背に受けながら海辺をジョギングする人、公園で鳥のさえずりを聞きながらヨガをする人、レストランのテラス席で友だちとおしゃべりをしながら朝ごはんを食べる人、カフェで音楽を聴きながら仕事をする人…しっかりとエネルギーをチャージしてから仕事をするから、あんなに人生を楽しんでいるように見えるのだろうか。
 
歳を重ねるにつれ、行動範囲や趣味の範囲が広がった。好きじゃなかったハワイアン料理が好きになった。オアフ島のワイキキ以外の地域にも行くようになった。現地の友だちと遊ぶようになった。去年は、マウイ島とハワイ島にも行った。
マウイ島とハワイ島はまたオアフ島とは全然違う場所だ。住んでいる人々がそもそも違う。オアフ島は混ざっているけれど、ハワイ島は日系、中華系が多いし、マウイ島は白人が多い。それに良いも悪いもないけれど、それぞれがやっぱり独特な雰囲気を醸し出している。
マウイ島はゆったりしている。とにかくほんとうにゆったりしている。人々が何も気にしない感じ。何かあってもまあなんとかなるさっていう感じ。町は可愛く洗練されていて、リゾート感がある。
ハワイ島はまず自然の力に圧倒される。ぐぐぐっと圧迫される感じ。それでいて包みこまれる感じ。安心感と恐怖の入り混じったなんとも不思議な感覚を滞在中ずっと味わった。町は小さくて可愛くてあまり洗練されていなくて、なんだか下町感満載だった。全然知らない人でも知っている気分になる感じ。good old timeがそのまま残っている感じ。ホノカアボーイの世界そのものだった。


ホームや故郷って人に依存する部分が多いと思うけど、ハワイはその場所自体がもうホームなんだと思う。身体がしっくり来る場所。ハワイにこの前初めて行った友だちも言っていた。彼は島のオーラに感激したらしい。"ふわーってしてて海外線に近くて風とか土地のにおいとかが自分と合う(というか多分人間とあう)""早くこの島でないとおれすいこまれちゃって元の世界に戻れなくなりそう""やばいわこれdrugみたい""でもさ、自然とこうやってつながると人はこんなに満ち足りた気持ちになれるんだねー"って言ってた。ほんとうにそうだと思う。人はやっぱり自然の一部だし、それを認識するだけなんだか視界がふわーっと開ける気がする。心にいつも空いているような気がする穴もすーっとふわーっと満たされていく。自然に愛されてる、と思う。この地球に愛されてる、と思う。
 
だからわたしはハワイが好きなんだろうな。