洋画で英語を勉強

Ask.fmでいただいたこちらの質問。

洋画で英語学習する時の方法を教えて頂きたいです。

洋画は同じものを何度も、それともいろんな洋画をまんべんなく見るのではどちらが良いのでしょうか?

わたしがやっていた方法を今日はシェアしますね*

 

 

どの学習段階でも基本的には同じ映画を繰り返し観る際に以下のステップを踏みます。

  1. 字幕無し
  2. 英語字幕有り
  3. 字幕無し
  4. 日本語字幕有り
  5. 英語字幕有り+シャドーイング+繰り返し巻き戻し・再生
  6. 字幕無し(+シャドーイング+繰り返し巻き戻し・再生)

 

1. 字幕無し

まず、最初に字幕無しでどこまで理解できるかを試してみます。このときは全体のコンテクストを理解することにいちばん注力するのが重要。一語一語を理解できなくても良いから、誰がどういう立場でどんなことを言いたいのかというのを読み取ります。要するに、話の流れを掴む、という感じですね。余裕があれば(単語ではなくあくまでも)フレーズにも注目してみましょう。

 

2. 英語字幕有り

次に、字幕無しで聞き取れなかったフレーズを補っていきましょう。日本の多くの教育機関で取り入れられている英語学習方法の特徴として、リーディングが強い傾向にあります。1で理解できなかったコンテクストやフレーズも、文字を追うことで理解できることもあります。このときにできるだけ会話の流れを一塊としてすくって理解することが重要です。

 

3. 字幕無し

最初に観たときと、英語で字幕を追ってフレーズを補った後で、どれだけ聞き取り力や理解力が上がったかを確認します。最初に観た時は聞き取れなかったけれども、2で理解できた部分が音声ではどう仕上がっているかに注目します。

 

4. 日本語字幕有り

ここでようやく母語の日本語の登場です。自分が1と2で掴み取ったフレーズや会話の流れがどれだけ正しかったかの答え合わせをします。

映画の字幕は、翻訳された本などと違い、基本的には全てのフレーズを細かく区切って翻訳してスクリーンに映してくれるので、フレーズと相対する日本語がわかりやすくて英語学習にはうってつけです。このときも頑張って聞き取れるだけの英語を聞き取ること。

 

5. 英語字幕有り+シャドーイング+繰り返し巻き戻し・再生

ここがいちばん手間のかかるパート。つまり、ここにどれだけ労力を費やすかで英語力の伸びが変わってきます。

シャドーイングというのは、音声をそっくりそのまま真似して言ってみること。英語の字幕は多少省略されているので、できたら聞き取った英語をそのまま言えるのがベストですが、慣れないうちは英語の字幕そのままを読んで追っていくのもありです。日本の多くの教育機関で英語を学んでいると、ネイティブスピーカーに近いイントネーション(抑揚)や発音を習得するのがなかなか難しいので、シャドーイングを通してそれを習得することを目指します。ちなみに、発音が多少悪くてもイントネーションが良いと相手に伝わることは多々ありますが、発音がとても綺麗でもイントネーションが悪いとなかなか相手に伝わりません。

同時シャドーイング(言った端から追って真似すること)でも良いですし、1フレーズごとに映画を止めて繰り返すシャドーイングでも良いです。どこまで自分の耳で聞いた英語を忠実に再現できるかということに重きを置きます。つまりここでは全体のコンテクストも単語も全て無視して構いません。リスニングとスピーキングのトレーニングです。言えないフレーズは言えるようになるまで何度も何度も巻き戻しては再生して繰り返すこと。

 

6. 字幕無し(+シャドーイング+繰り返し巻き戻し・再生)

やっと最後のステップです。どれだけリスニング力が上がったかを確かめるために字幕無しでただ映画を観るだけでも良いですし(そのときにわからない単語をメモして後で調べるとより良い)、慣れていれば字幕無しでのシャドーイングに挑戦しても良いです。

 

 

わたしはだいたいこの1〜6のサイクルを1つの映画に対して2日〜1週間くらいでこなしていました。集中して短期間にやるのがこの勉強法の効果をいちばん発揮すると思います。このサイクルをコンプリートした映画を少し期間を空けて再視聴する際は、5と6だけこなせば十分です。

 

最初の質問に戻ると、同じ映画を何度も観て、且つ、いろんな洋画を満遍なく観るのが良いです。

ただ、映画を学習ツールとして使う場合、自分のレベルに合った映画というものが必ずしもあるんですね。なので、ここは流行りの映画を観たい気持ちを少し抑えて(もちろん観ても良いんですが)、以下をぜひ参照して、英語学習のときにはそれぞれのレベルに合ったものを選ぶようにしましょう*

 

 

とりあえず英語を聞き取れるようになりたいとき

まずとりあえず英語を聞き取れるようになりたかったときは、子ども向けの映画を良く観ていました。ディズニーのアニメはアメリカの幼稚園生でも理解できるようにつくられているものがほとんどなので、ほんとうに易しい表現が多くておすすめ。

最近では『アナと雪の女王』がありますね*ちなみにわたしのお気に入りは『ラプンツェル』と『レミーの美味しいレストラン』です。

 

ゆっくりな英語なら多少聞き取れるようになったとき

実写化ディズニーや、ディズニーチャンネルがスラングも少なくておすすめです。 『ハイスクールミュージカル』『魔法にかけられて』『イントゥ・ザ・ウッズ』『シンデレラ』などなど。

 

多少英語は聞き取れるようになったため、ニュアンスなどに注目していきたいとき

ファミリー向けの、いわゆる、“良い映画”がおすすめです。『ホームアローン』や『クリスマス・バケーション』あたりが面白くて勉強にもなるかと思います。

 

結構もう英語は聞き取れるのでスラングやニュアンスに注目しつつ速く"崩れた"英語に慣れたいとき

若い人向けの映画やドラマがおすすめです。例えば、日本でも流行った『ゴシップガール』はこのレベルです。『アメリカンハッスル』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『ナイト&デイ』、『オーシャンズ』などもかなり英語が崩れていますし、日常会話スピードなのでこういう映画が理解できるようになれば、ある程度会話についていけるようになります。

 

 

こんな感じでしょうか。

重要なのは、ここでは映画を学習ツールとして使っているということをはっきりと念頭に置くこと。ただ楽しく観て気づいたら上達していたなんて、そんなうまい話はありません。どのステップを踏むときも、何のためにその学習方法を用いているのかを考えながら最大限に集中することが、いちばんの上達の早道です。

参考になったら幸いです*