アメリカの大学でとった授業のしんどかったで賞を決めてみる。

こんにちは!

 

よく、「アメリカの大学ってたくさん勉強するんでしょう?」とか、「勉強どうやってついていったの?」って聞かれるのですが、後者についての回答は前の記事を見ていただくとして(チートみたいな回答だけど、ほんとうにこういう愚直な方法しかないんだもん)、今日は、母校で在学中にとった授業のなかで勝手に『しんどかったで賞(そしてこんな綺麗なキャンパスで素敵なコミュニティーじゃなかったら間違いなく発狂していたで賞 〜まぁそれに近いことはあったけどね〜 )』を決めて発表したいと思います!

f:id:yukakitajima:20170821085307j:plain

 

 上述の『前の記事』


 

しんどかったで賞 第3位

特別しんどかったっていうよりは慣れるまでに時間のかかった(いや、やっぱりしんどかった)クラスは、1年生の春学期にとった、Honor Scholarsクラスの、HONR102: Fall of Chinese Dynasties!これは、最初の1ヶ月間は中国の歴史と文学の派生をざっと学んで(簡単に言うけど、中国の歴史ってどれだけ長いかとか文学どれだけ多いか知ってます?って教授に言いたくなった)、残り2ヶ月半ほどで2つの王朝の顛末を辿るロールプレイングゲームをするクラス。それぞれに歴史上人物が与えられて、役割を全うしつつ、あらかじめ決まっている勝ち点を取りに行きます。ただ演技すれば良いというだけでなく、歴史上のことを全部把握している必要があるので、『三国志』を全部読んで(本家の三国志は漫画とか小説版と違ってほんとうに長い……1000ページ超えが17冊くらいあるんじゃないかな……ということで17冊ぜーーーーんぶは読んでないけど、5冊くらいは最初から最後まで読んで、ほかのはぱらぱらめくりながら必要な部分だけ読みました)、自分が演じる人物に関係している事柄を全部覚えるのが課題(無茶難題すぎる)。

で、授業外でも常にクラスメイト13人ほどと連絡を取り合って、作戦を立てたり嘘の情報を流したり……。そのやりとりは全部メールで行なって、教授に逐一ccするので、当然パーティシペーションポイントはカウントされるし、その都度アドバイスや添削が入るのでそれに合わせてまた練り直す…というのを永遠と続ける必要がありました。この授業をさらに難しくしたのは、ゲーム内で『殺され』てしまうと、その時点でクラスに参加できなくなるので、その後のパーティシペーションポイントがゼロになるという恐怖、そして、まだこのゲームは教授がつくりあげている段階だったので(つまりわたしたちは実験用のモルモット扱い)、ところどころルールに穴があったり矛盾があったりして、教授もそれに関してどう扱ったら良いかわからなかったということ。唯一の救いはファイナルがオプションだったこと!受けたら全体成績にスコアに応じてちょっと加算するよ、っていうスタイルだったから気が楽でした…(その分、筆記5問くらいあってブルーブック3冊くらいは軽く埋まったけどね!)。いちばんクラスメイトと仲良くなったのもこのクラス!

 

しんどかったで賞 第2位

そういえばしんどかったな…と、じわじわしんどさを思い出して泣きたくなったのは、2年生の春にとった、HIST290B: Globalization and Resistance (W)。Wというのは、ライティングに特化したクラスを指すもので、卒業するためにとらなければいけないクラスのひとつです。最初はWじゃなかったのに、あまりにもライティングの課題が多すぎるのと、教授がライティングの鬼なので、途中でWに指定された強者のコース。指定本は1冊だけでしたが、補足資料がそこそこあり、毎週本50ページ+資料50〜100ページほどのリーディング。ラテンアメリカ史に経済史にリベラル思想と、わりと新しい領域だったので、大きな絵を掴むまで時間がかかりました。

この授業の真のしんどさは、Wコースというだけあって、ライティング…。1年半それなりにやってきて、ライティングでも良い成績をもらえるようになってきたところでの、C-は精神的にくるものがありました。週に2本、読んできた部分のサマリーと考察を書き、提出、で、真っ赤になって返ってくる。最初の1ヶ月が過ぎると、7ページくらいのペーパーを1回提出し、それを1ヶ月くらいかけて直していき、またその間にも短いライティングが週2〜4本のペースで発生します。教授と週1〜2回、1回1〜2時間の話し合い。プリントアウトしたペーパーがペン入れで真っ赤になっていく…。他の学生が書いたものも読み、評価し合いもしました。自分のライティングのだめなところを直視する、ときにはページ全体に真っ赤なバツがつくのが何ページも続く、というのは、やっぱり精神的にしんどかったし、どこをどう直したら良いのかわからなくなることも多々ありました。

いちばんしんどかったのは期末の時期。確か、この授業だけでライティングの課題が3つあって、そのうち2つは8〜10ページ、1つは20ページというのが、もう…。10ページくらいだとわりとすぐ書けるようになっていたのですが、20ページとなると大変で…。他にも20ページのペーパーを3つ抱えてたので、80時間ほど文字通り不眠不休でソファからほぼ動かず体勢もほぼ変えずひたすら書き続けたのは、今でも思い出すだけでしんどかったなーという思い出。

 

しんどかったで賞 大賞

考えるのにまったく時間を要さなかった栄えある大賞は、2年生の春学期にとった、Honor Scholarsクラスの、HONR300AB: Enlightenment and Critics of Enlightenment!鬼のような教授のもと、1学期間みっちりしごかれました…。

まず学期が始まる前に、ヘロドトスの『歴史』を読破。これ、1人で手書きしたとは到底思えない知識量とページ数……。それを元に2〜3週間ほどディスカッション。その間にもどんどん幅広い年代の哲学や科学や文学に関したリーディングまたは一次資料が追加されて、1週間で少なくても150ページ、多ければ400ページほど読み(でもあとからこんなの序章だったことに気づく)、ヘロドトスのディスカッションに還元します。教授が歩く図書館のような人だったので、よくよく考えないと繋がる道筋が見えないリーディングばっかりだったため、質問を考えていくにも一苦労だし、答えを用意するのももっと大変でした。

哲学、ってよく日本では、「人生とは何か」「愛とはなにか」というような議題を扱うと思われがちだけど、実際そこまで難しいトピックを論じられるようになるには途方も無い修行が必要で、まずは論理的思考をきっちりとかためられるようにならなければいけません。なので、この授業のディスカッションの時間やライティングはその練習。『議論をする価値があるもの』のなかから命題を抽出して、その命題に関する議論をひたすら論理的に述べる。感覚的に生きているわたしにとってはめちゃめちゃ難しかった…。

ヘロドトスの『歴史』を扱い終わると(ここまでくるのに短いライティング課題が10本ほどありました)、次のクラスからは、一次資料である哲学者、歴史家、政治家が書いた本(短編・長編関わらず)を毎週1冊か2冊(合計200〜600ページくらい)読み、補足資料としてのリーディングが毎週合計100〜300ページほどあるのでそれを読み、それらを全部頭の中にいれて短めのライティングを授業の前後1本ずつなので週合計4本プラス2週間に1回ほど、中くらいの長さのライティングを1本仕上げる日々が続きました。現代にもなってくると英語が簡単になってくるので、難しいのは内容と言い回しだけになるのですが、古代〜近代は英語がまったく別の言語のようになってくるのでまずそれを解読するところから始まりました。SAT Subjectでliteratureやってて良かった〜って心から思った瞬間。その他、学期中長めのライティング(わたしの基準では10ページ超え)を3本(なので、1ヶ月に1本…)仕上げて提出し、学期末にテストの代わりにエッセイを仕上げました。この学期は、コンサートバンドのリハーサル・コンサートが週6〜10時間ほどあり、パイプオルガンの授業も別であって、それぞれの練習も毎日して、ソロリティーの新メンバーだけのプログラムもたくさんあって、っていうときだったから余計にこの授業のしんどさが際立ちました。あーーーーーしんどかった!!!

 

しんどかったで賞 特別賞

Honor Scholars Capstone Projectである卒論は、忘れちゃだめでしょうということで特別賞です!

しんどいよーーーって先輩方から散々脅されていたこの卒論、ほんっっっとーーーーーにしんどかった。何がしんどいって、気力と体力と時間のなさと膨大な量に加えてこんなに書くのが初めてだということ(つまり全部)。最低ラインが60ページで、1年間リサーチし続けるので、トピックを考えるのがまずめちゃめちゃ大変でした。

で、手探りで、とりあえず資料を片っ端から読む、読む、読む、読む。で、教授と毎週会って相談しつつ、今後の方向性を決める。で、読む、読む、読む、読む。時間が空いたら読む、ノートを見返す、ノートをまとめる、新しいチャプターを書き出す。を1年間続けるのは、ほんとうにほんとうにほんとうに気力と根性と体力が必要……。わからなさすぎて迷いすぎて泣きたくなったこともたくさんあるし、実際に書いていくときも何から手をつけて良いのかわからなくてとりあえず書き出してみるものの、2週間後には全部破棄するなんてこともざらにありました。

結局、90ページほど書いて、提出。最後の2週間でやっと全部繋がって急いで書いたから、ライティングのクオリティは前述のWコースの教授に殺されそうなくらいでしたが、ディフェンスに向けて、良い頭の中の整理ができました。最後の1週間ほどはパソコンから離れていた時間を思い出すほうが難しいくらい…。2年生の秋学期の期末ぶりなんじゃないかってくらいずーーーーーっと書き続けて、もう最後のほうはふらふら…。でもこれに関しては1年間ずっとずっとしんどかった!!!

f:id:yukakitajima:20170821085408j:plain

このロリポップか証書のために書いていると言っても過言じゃない

f:id:yukakitajima:20170821085725j:plain

お友だちがいなかったら乗り切れてなかったな、と思うことなんて毎日あったけど、特にこの卒論に関してはほんとーにお友だちがいなかったら途中で投げ出してた

f:id:yukakitajima:20170821085829j:plain

f:id:yukakitajima:20170821085848j:plain

f:id:yukakitajima:20170821085850j:plain

 

これ以外にもいーーーっぱいしんどい授業もしんどいこともあったけど、とりあえず大変だったで賞は上記の通り!こうやって見てみると、3年生、4年生の通常授業が入っていませんが、慣れたのか、授業の選び方が上手になったのか、、、やっぱり慣れたのかな。アメリカの大学全てがこんな感じというわけでもないし、わたしのとった授業の全部が全部こんなに大変だったわけじゃないけど、「アメリカの大学ってよく勉強するんでしょう?」に対して曖昧に答えてきた裏側ではこんな感じでした!という紹介でした!