留学して気づいた/再確認した、人生を楽しむために大切な20のこと(アカデミック編)

この記事に思っていたよりも反響をいただいて今回はそのアカデミック編。

 

何もないアメリカの中西部に来てもうすぐ2年が経とうとしている。その間わたしは悩んで苦しんで自己嫌悪に数え切れないくらい陥って、今の学問や学ぶことに対する自分の姿勢が形成された、かな。その中で気づいた大切な20のこと。

 

  1. 「完璧」も「満足」もできないことを頭でまずは理解する
    これ、実はほんとうに難しい。
    だってわたしたち人間はきっと思っている以上に完璧主義者で満足を追求する生き物だと思うから。
    この完璧も満足もないっていう虚無感が学びを続けていくうえでの最高の喜びになっていくのだと思うのだけれど、それに気付けていない間は勉強に手をつけるときにただの障害になってしまう。完璧や満足を求めるからなかなか始められない。それだったら最初から自分自身を「とりあえずやってみよう」って説得してしまったほうがずっと良い。

  2. はやく始めて何度もやり直す
    完璧はなくても、ずっと続く満足はなくても、達成感は得られる、とわたしは思っていて。それにたどり着くためには、はやく初めて何度も何度もやり直して、真正面から真剣に向き合うことしか方法は無い。そして、タスクは最小限まで崩す。ゴールが見えないと思うような大きなタスクも限りなく崩していくと意外と取っ掛かりやすかったりするもの。大きなペーパーがあるなら、まずお題をじっくり読んで理解するところから始めてみる。引用方法を調べるところから始めてみても良い。そうやって少しずつで良いからスタートラインから一歩二歩足を踏み出すことでどんどん周りの世界が変わっていく。

  3. 近道なんてどこにもない
    「英語が早く上達する方法は何ですか」「この科目を早く習得する方法ってありますか」って聞かれることがたくさんあるけれど、はっきり言って、そんなユニバーサルで都合の良いものは無い。
    近道なんて無いということを頭に入れて、こつこつ勉強することは実はすごく難しいけれど、それができる人が本当に伸びる人。

  4. 最高の勉強法は自分と向き合って初めてわかる
    近道は無いしユニバーサルに素晴らしい勉強法も無い。結局学問というものにどれだけ真剣に向き合えるのか、その過程で自分にどれだけ真剣に向き合えるのか、が重要。その過程は自分の強みや弱みをさらけ出してくれるし、その中で少しずつ少しずつ自分に合う勉強法がわかってくる。

  5. 休憩するときは休憩しているということを意識する
    人間は休憩が必要。どのタイミングでどれだけ休憩をとれば良いのか、様々な記事が様々なことを言っているけれど、わたしは、自分がとりたいときに休憩をとれば良いと思っている。大事なのは、自分が今休憩をとっているんだということを休憩時にしっかりと理解すること。しっかり休憩をとった脳や身体や心はまたたくさん頑張れる。

  6. 形や環境から入るのは大事
    個人的には、これとっても重要だと思っている。心持ちに変化が出る、と思う。勉強以外の予定が無いときも、少し外見を整えて、きちんとした服を着て、自分がいちばん集中できる場所に行った方が、効率が抜群に上がる、気がする。ちなみにわたしが大抵勉強のときに聞いている音楽は、雨の音。普通の音楽だと歌詞を拾っちゃうし、楽器だけで編成されている音楽だと音を拾っちゃうわたしにとって、雨の音は気にならないし"ゾーン"に入りやすい。Rainy Mood - Rain Makes Everything Better. というサイトがおすすめ。

  7. 自分さえわかれば良い
    ノートをわかりやすくまとめることと、几帳面にまとめることは違う。無駄に多くの時間を費やしてノートを几帳面にまとめるくらいなら、自分がわかる範囲でささっと数回まとめる方が良い。数回まとめると言っても、1回ごとにきちんとリフレクションをして自分がわかっていないことを理解しながらまとめていく。ノートまとめの真髄はまとめている過程にあるのだから。

  8. 助けは求め放題なんだから求めるべき、そのためには普段から教授やクラスメイトときちんとコミュニケーションをとる
    普段頑張っている人に助けを求められて嫌な気分になる人は少ない。助けは求め放題。どれだけ自分からアプローチするか、どれだけ普段から頑張るか、が大事。エキスパートに学ぶこと、自分のクラスメイトから学ぶこと、小さい子から学ぶこと……いろいろ学び方とそれによる学びのコンテンツがある。

  9. ちょっとの気の緩みが後で影響してくる
    休憩と気の緩みは違う。何の理由もなくクラスをさぼることは気が緩んでいるということ。何の理由もなくリーディングをしないことは気が緩んでいるということ。ちょっとの、「ま、いっか」という気の緩みのせいで一度遅れを取ってしまうと、なかなか追いつき追い越すことは難しい。逆に一学期間しっかり勉強していると、試験のときに全然心配する必要はない。

  10. つらいときは休めば良い
    気の緩みは良くないけれど、つらいときは休めば良い。心の調子が狂うと身体の調子が狂うし、そうなると脳の調子も狂ってしまう。つらいときは、きっちり休憩を休憩と見て、しっかりと休めば良い。そして調子が上向きになってきたらまたその分しっかり頑張れば良い。事後報告じゃなく、その過程ごとにきちんと教授と連絡をとること。

  11. 机に向かってすることだけが学びじゃない
    友だちとの会話、オフィスアワーでの教授との会話、レクチャー、シンポジウム、パネルディスカッション、午前2時のディスカッション……学びの機会はたくさん転がっている。

  12. 学びの意味を模索する
    他の誰でもなく、自分は、何のために学ぶのか。強制されている?まだ何が起こるのかもわかっていない将来のため?就職のため?そんな表面的なことなんて気にせず、学びの本質と意味を自分なりに模索しながら学んでいくほうがきっと楽しい。

  13. 食わず嫌いをしない
    思ってもみなかったことを好きになってしまうかもしれない。それがもしかしたら一生かけて追求したいことかもしれない。その分野に巡り合ったのはきっと何かのお導きなのだから、まずはどっぷり浸かってみる。

  14. スポンジのようになんでも吸収してみる
    食わず嫌いをせず取り組もうと決めたことはスポンジのように吸収してみる。自分の脳が勝手に作り出す先入観はとりあえず一旦捨ててみる。学びの途中で出てくる批判や疑問は優しく大事にあたためることにして、一旦取り除く。スポンジがたくさん水を吸ってから自分の視点というものをゼロから創り上げていく。

  15. 体調管理は鍵
    大事。とっても大事。何事も身体が資本。お水をたくさん飲んで、自然をたくさん身体に取り入れる。睡眠時間もなるべく削らない。そのほうが長期的に見て良いパフォーマンスができる。

  16. 勉強しているときは自分がいちばん大事
    勉強時間をあらかじめカレンダー上で"予約"しておく。その時間は自分だけのためのもの。世の中そんなに急ぎの用事なんてなかなか無い。思い切って携帯の電源を切って、インターネットの世界から遠ざかって、目の前の課題に真摯に取り組むと、次第に頭の中がふわふわーっとしてくる。脳がそうやって"ゾーン"に入ると気持ちよい。その快感を掴めたら勉強も苦じゃなくなる。

  17. 勉強や学びは他の誰でもなく自分のため
    12番でも書いたけど、勉強や学びは他の誰でもなく自分のためということにまず気がつく。そうやって覚悟を決めることで、今自分が何をしなければいけないのかが見えてくる。

  18. 成績は大事だけどそれが目標になるのは良くない
    良い成績をとる、ということは努力した結果なだけだし、あなたの価値を決めるものでもない。良い成績だけが目標になってはいつか勉強の意味を見失ってしまう。学びを一生のことと捉えること、今はその過程だということを意識すること、が大事だと思う。たくさん学んでその上で良い成績という結果がついてきたら万々歳だし、そうでなくても自分が手応えある学びをしたのなら、たとえ成績が芳しくなくても恥じる必要はどこにもない。

  19. 自分のレンズに気づいて磨く
    誰しもユニークなレンズを持っている。これは学べば学ぶだけどんどん見えてくるもの。自分が世界を見るときにどんなレンズを通しているのだろうということを感覚的にも論理的にもきちんとわかること、その自分だけのレンズをさらに磨くこと、ってきっと大事だ。世の中、自分にしかできないことっていうのはなかなか無いかもしれないけれど、自分にしか説明できないこと、自分にしか感じられないことっていうのはきっとあると思うから。

  20. 勉強は最高のメディテーション
    勉強はほんとうに自分の頭の中の世界を探検できる最高のツール。そして自分の頭の外をじっくりと穏やかな心で見つめられる最高のツールでもある。そのためには真摯に真正面からしっかりと向き合うことが大事。

 

どれもこれもとっても基本のことばかりなんだけど、あらためて気づいて少しずつ実践していくと、自分に対する自信や勉強への向き合い方が少し変わるような気がするのです。

 

自分のことを好きになってあげるためには、周りへの感謝を忘れず1ステップずつ経験を積み重ねていくしかなくって。勉強や学びもそのうちのひとつ。